「真皮」って何ですか? 【真皮のしくみと機能】
疑問:「真皮」って何ですか?
『真皮』と言う単語は聞いたことがあるけど、よく分からないという方は多いのではないでしょうか?
今回はそんな疑問にお答えします。
1.真皮のしくみと機能
真皮とは、肌のハリや弾力、シワの源で、『お肌の本体』とも言える部位です。
表皮の下に位置し、表皮の最下層である基底層と接合しています。表皮へ栄養分を送っている他、真皮は多量の水分を含んでいますので、水分も供給しています。
その厚さは『約2mm』で、表皮の何十倍にもなります。
表皮を下から支える真皮は、水分を含んだ厚い層で、『コラーゲンからなる膠原線維』と『エラスチンからなる弾力線維』、そして、これらの間を埋める『基質』が占めていて、細胞はその間に浮いたように存在しています。つまり、真皮の大部分は『膠原線維』と『弾力線維』であり、これらがお肌のハリや弾力、シワの源です。
1-1.膠原線維(こうげんせんい)
膠原線維の主成分は『コラーゲン』と言われる白いひも状のタンパク質です。
コラーゲンはよく聞くと思いますが、このコラーゲン、非常に丈夫な太い線維で、真皮の重さの『約70%』を占めています。
つまり、真皮の大部分はコラーゲンなんです。コラーゲンは、その中にたっぷりと水分を抱え、『お肌のハリ』を支えています。
1-2.弾力線維(だんりょくせんい)
弾力線維の主成分は『エラスチン』と言われる、黄色いランダムコイル型のタンパク質です。
エラスチンも最近はよくお聞きになるのではないでしょうか?
エラスチンは真皮重量の『3~4%』で、ゴムのような『弾力性』があります。コラーゲンの間に絡み合うように存在して、コラーゲン同士を支えているのがエラスチンで、『お肌の弾力性』を保っているのです。
1-3.基質
基質は、膠原線維や弾力線維、種々細胞(線維芽細胞、肥満細胞など)の間を埋めて、『水分保持』の役割を果たしています。
その主成分は、酸性ムコ多糖類と言われる『ヒアルロン酸』や『コンドロイチン硫酸』などです。
ヒアルロン酸は有名ですね。たっぷりと水分を含んでいます。
1-4.線維芽細胞(せんいがさいぼう)
真皮には細胞類も存在していますが、その中でも『線維芽細胞』は非常に重要なので、これについてふれておきます。
先ほど説明した、膠原線維、弾力線維、基質は、真皮の中に存在している『線維芽細胞』で作られています。
ですから、線維細胞の働きが重要で、この働きが順調で、これらの物質が正常に作られていることが、お肌のハリや弾力を維持するために大切なのです。
2.真皮と加齢
真皮は『膠原線維(コラーゲン)』と『弾力線維(エラスチン)』が規則的に並んでいて、『ヒアルロン酸』や『コンドロイチン硫酸』などのムコ多糖類がその間を満たし、お肌に弾力性と柔軟性を与えています。
加齢とともに、真皮のコラーゲンとエラスチンの全体量が減少します。そして、肌の弾力を保つコラーゲンが線のように細くなり、クッションのような役割を果たすエラスチンが切れます。さらに、強力な保湿成分のヒアルロン酸が減ります。
加齢によって、これらの成分が減少することで、お肌の弾力は失われ、真皮全体の水分量は激減します。真皮の水分量低下は、すぐに表皮へと影響します。 このように、加齢による真皮の成分変化は、『シワ』だけでなく『お肌の乾燥』にも大きく関わってくるのです。
3.おわりに
いかがでしょうか?
ちなみに、化粧品が効果の対象とするのは、『表皮の角層まで』であって、真皮への効果効能を謳うことは出来ません。
ですから、「真皮まで成分を届ける」という表現はNGです。 代わりに、『お肌の奥まで成分を届ける(角層まで)』という表現をよく見ると思います。
あと、よく『弾性繊維』・『繊維芽細胞』と間違えやすいのでご注意ください。
※正しくは、弾性線維・線維芽細胞